発毛に使われている成分とその効能

発毛を促進する薬って中身は何?成分と効き目を探る

髪の毛を生やす・育てると言っても、そのプロセスは多種多様で、発毛剤・育毛剤にも様々な効果を目的とした成分が含まれています。その狙いを大別すると、次のように分類できます。

○頭皮の血行を促進する
○髪の毛に栄養を補給する
○保湿などにより頭皮を健康な状態に保つ
○抗菌・消炎などにより頭皮のトラブルを解消する
○脱毛に結びつく男性ホルモンの働きを抑制する

実際にはこれらが相互に関係して健康な髪の毛が維持されるので、育毛・発毛のための薬剤一つの中に複数の狙いを持つ成分が使われているのが一般的です。
ここでは、よく知られている成分のいくつかを取り上げて、その由来や働き・効能を解説します。

(1)ミノキシジル‥‥もとは血管を拡張させて高血圧を治療する薬として開発されましたが、頭皮の血流を増加させることで毛母細胞に栄養が行き渡り発毛・育毛に効果を発揮することが分かりました。アメリカ食品医薬局(FDA)や日本の厚生労働省が認可。現在、日本でもこの成分を含んだ塗布用の育毛剤が市販されています。効果を発揮するのは、頭頂部の抜け毛・薄毛で、額の生え際には効かないとされています。

(2)フィナステリド‥‥もとは前立腺肥大や前立腺がんの治療薬として開発されました。男性ホルモンが抜け毛の原因ホルモンに変化するのを阻害する作用があり、抜け毛予防薬として1997年にアメリカFDA、2005年に日本厚労省が認可。医師の指導に基づき服用すべき内服薬です。ただし、男性にしか効果が認められていません。

(3)センブリエキス‥‥センブリはリンドウ科の2年草で中国、朝鮮半島、日本に生育しています。漢方薬で消化不良・食欲不振に効く成分として知られていましたが、血行促進や皮膚温度の上昇をもたらすことから発毛・育毛効果が認められて、育毛剤などに使われています。

(4)甘草エキス‥‥甘草は中国からヨーロッパ南部に生育するマメ科の多年草です。根や茎を乾燥させた生薬は解毒、喉の痛み止め、痰除去、消炎、神経痛の鎮痛などに使われるほか、独特の甘味を活かして様々な漢方薬にも含まれます。また、醤油の甘味成分としても配合されます。頭皮に使用した場合、抗炎症や抗酸化の作用により皮膚の老化防止効果が期待されます。

(5)ホホバオイル‥‥ホホバはアメリカ合衆国からメキシコにかけてが原産の常緑低木。この1種だけでホホバ科に分類される。砂漠などの厳しい環境で生育。この木に生った実を搾ったものがホホバオイルで、人の細胞と同じ分子構造を持つことから皮膚になじみやすく、やけどの治療やアトピー性皮膚炎の保湿など医療・美容分野で多用されている。ヘアケアに用いた場合、頭皮を健康に保ち、オイルに含まれるビタミンB群、ビタミンE、アミノ酸、ヨウ素、ケイ素、銅、亜鉛、クロムといった養分が頭髪に補給される。

(6)ノコギリヤシ‥‥アメリカ合衆国南西部からメキシコ湾岸にかけて生育するヤシの一種。手のひら状の細い葉を広げる。この果実から取られる抽出物に前立腺肥大の治療効果が確認されている。上記(2)のフィナステリドと同様、男性ホルモンに作用するため男性の薄毛・抜け毛を改善する効果が期待され、発毛・育毛剤の成分として使われている。

これらのほかにも、蜜柑に含まれるリモネン、ニンジンエキス、ユウカリエキス、海藻エキス、パンテノールなど育毛・発毛によいとされてヘアケア用品に含まれる成分はたくさんあります。
含まれる成分の種類の多さや配合量に惑わされることなく、自分の髪の状態にとってどの目的の成分が有効なのかを認識したうえで製品や治療方法を選ぶことが大事です。